EPA 2017年7月28日(金)

インドネシア共和国特命全権大使を迎えて

インドネシア人財が
お揃いのネクタイ・スカーフでお出迎え

インドネシアと日本との間で、EPAによる介護人財交流がはじまって今年で10年目。この節目に、インドネシア共和国特命全権大使 アリフィン タリスフ氏がEPA職員の激励と現場視察のために健祥会グループを訪れてくださることとなり、一行を、吉野川市の老人保健施設健祥会ウェルにお迎えしました。2015年に訪問くださった総領事ウィスヌ・エディ・プラティグニョ氏もご同行くださいました。

健祥会グループには現在76名のインドネシアの仲間が仕事に就いています。当日は、県内の施設に就労するものの中から33名がウェルに集合。配偶者4人もそれぞれ子どもを伴って参加しました。EPA職員は皆、健祥会グループのオリジナルネクタイ、スカーフを身につけて、大使・総領事らを拍手で迎えました。

歓迎セレモニーの冒頭、健祥会本部長中村晃子が大使一行に歓迎の挨拶を述べ、それを受けて、大使もご挨拶くださいました。本部長の挨拶は、一期生のワヒューディンが通訳を努めました。

健祥会本部長中村晃子 歓迎の挨拶

お忙しい中、はるばる徳島へ、健祥会グループへ、ようこそお越し下さいました。2008年にEPAが発効してはや10年、貴国と当グループとの厚いご縁がずっと続いていることに感謝しつつ、こころから歓迎申し上げます。

インドネシアと日本を結ぶこの制度は、国会議員でもあった今は亡き健祥会グループ創始者中村博彦が、アジアの未来を夢見て、その夢を託した制度です。創始者は、人口減少・少子高齢の日本の介護現場の人財不足を心配し、また、アジア諸国もいずれ高齢化に直面するとして、早くから外国人介護職の受け入れを提唱してきました。そして粘り強く政府に働きかけた結果、東南アジア諸国とのEPAの中に「人の移動」として盛り込まれたものです。
健祥会グループでは、現在、76名のインドネシアの仲間が仕事に就いています。他にも、フィリピン50名、ベトナム29名、合計155名の職員が在籍しており、さらに、来月ベトナムから5名、12月にはフィリピンから8名、そして貴国から22名もの人財が加わることになっています。当グループは、日本中でもっとも多くEPA人財の集うグローバル職場のひとつです。
この10年の間、インドネシアの人財は、まじめで誠実な仕事ぶりにより、利用者様にも地域社会にも高く評価され、介護現場になくてはならない存在として、私どもの大切な戦力となってくれています。

創始者はアジアの架け橋としてEPA人財に大きな期待を寄せていました。その想いを受け継いで、私どもでは、生活面、就労面、また国家試験対策においても、手厚いサポートをしています。その甲斐あって、国家試験合格率も国家資格取得者数も日本一を誇っており、インドネシア人76名のうち、38名が介護福祉士国家資格を取得しています。
さらに、一期生のアリフ・バスミンさんは、日本人にとっても非常な難関であるケアマネジャーの資格を、EPA人財として全国で初めて、2年前に取得しました。この試験の今年の合格率は今年13.1%でした。それほどの難関を突破したのです。当グループでは意欲をもって上をめざす人には、勉強の場もチャンスも用意しており、現在、彼をはじめ何人かが、管理職として活躍しています。

10年も経つと、結婚して家族を持つ職員も増えてきました。インドネシアからやってきた配偶者や生まれた子どもたちが、日本社会の中で孤立したり、不便や不自由を感じることのないよう、家族支援にもしっかり取り組んでいます。配偶者向けの日本語教室を開いたり、制度や風習に馴染むようサポートしたり、当グループ内の4つの保育園では、定期的に園児や保護者とのふれあいの時間を設けています。

当グループは、働き方に関する行政の認証をいくつか取得し、EPA人財はもとより、すべての職員の働く環境の向上を図っているところです。仕事も大切、家庭も大切。幸せであってこそ、利用者様へ心のこもったサービスができると考えています。

最後に、EPA人財たちは苦楽を共にする仲間であり、健祥会グループにとって、また、日本の社会にとって、本当に大切な存在となっているということをもう一度申し上げたいと思います。

大使の訪問は、彼らをとても勇気づけてくれることでしょう。短い時間ですが、あたたかな交流の時間を過ごし、彼らの頑張りをねぎらい、励ましてあげてください。そして今後も、貴国と健祥会グループ、貴国と日本がよきパートナーとして歩んでいけますよう、こころより願っています。本日のご訪問、本当にありがとうございました。

アリフィン タリスフ インドネシア共和国特命全権大使 挨拶

この制度創設にご尽力くださった中村博彦健祥会グループ創始者の、確かな先見性と行動力に心から敬意を表します。またインドネシアはじめ、フィリピン、ベトナム各国から人材を受け入れ、育ててくださっている健祥会グループのすばらしい取り組みに感謝申し上げます。
高齢者を支える介護の仕事はたいへん意義深いものです。皆さんは良い選択をしたと思います。国家資格を取得するためには日本語にも介護の勉強にも大変な努力が必要でしょうが、どうか諦めずに頑張ってください。1期生として来日し、2年前にケアマネジャーの資格も取得したアリフさん。先ほど合格率13%と伺って本当に驚きましたが、勉強と現場での実践の両輪で本当に多くを学んできたことと思います。皆さん方全員が、与えられたすばらしい環境のもとで最大限の努力をして、合格を勝ち取り、インドネシアの誇りになってください。健祥会のシンボルである「心と心」のように、優しい心で働くことで神様もしっかり見守ってくれます。皆さんの人生に素晴らしいことがきっと起きることでしょう。それを信じて、一生懸命、そして楽しみながらで仕事をしてください。そして先輩たちは、後輩の仕事や勉強のサポートをしてあげてください。

就任して3ヶ月で、このような貴重な機会に恵まれ、皆さんの元気な姿を見ることができて、嬉しい限りです。皆さんの成功に向かって神のご加護がありますよう祈ります。

続いて、インドネシア職員を代表して、1期生のアリフ バスミンから歓迎の挨拶を申し上げました。アリフは、健祥会ウェルで管理職として、介護福祉士・ケアマネジャーを務めています。

アリフ バスミン 歓迎の挨拶

2008年、22歳の時にEPAの第1期生として来日し、翌年ほかの7名とともに、徳島の健祥会グループの職員となりました。3年間就労し、2012年に介護福祉士国家試験に合格。その2年後に介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験にもEPA人財として日本で初めて合格しました。現在は介護とケアマネジャーを兼務しています。ケアマネの仕事は、利用者様の自立を支援し、そしてよりよい生活を営むためのケア計画を考える仕事です。プランの作成前に利用者様や家族様の情報を集めて、その情報からニーズを抽出し、ニーズにあったプランを作成します。私は、利用者様や家族様と職員の架け橋として仕事しています。そして将来は、日本とインドネシアの架け橋となって両国に貢献することが私の夢です。

3年前に同じく介護の仕事をしている後輩と結婚し、子どももできて、今、3人で暮らしています。私のように日本で出会って結婚する場合もあれば、パートナーをインドネシアから呼び寄せる場合もあり、今後結婚する人はどんどん増えるでしょう。そのために改善されたらいいなと思うことを大使に聞いていただきたいと思います。
それは①配偶者の仕事の場がないこと②配偶者のビザ取得に時間がかかること、です。
母国からきた配偶者も仕事に就きたいと思っています。その際、EPAに対する理解のあるグループ内の施設で介護以外の仕事に就くことができればいちばん安心なのですが、許可が下りない場合があります。ダブルインカムでなければ経済的に厳しく、そのために帰国してしまった事例もあります。
また、介護福祉士資格を取得した後、なんらかの理由で母国へ帰った場合、再度介護福祉士として就労したいと思っても、ビザの発行に時間がかかってしまいます。これらを改善していただけるように日本の政府に働きかけていただけるとありがたいです。
要望ばかり申し上げてしまいましたが、徳島に来ていただき感謝の気持ちでいっぱいです。お会いできたことを励みに、仕事も勉強もさらに頑張りたいと思います。そして将来、日本で得た知識を母国インドネシアのためにも役立てたいと思います。どうもありがとうございました。

ジャパンブルーに心を込め
ますますの連携を期して

本部長中村晃子より、EPA人財とお揃いのトゥモローネクタイと、「心と心」の文字を染め抜いた藍染のテーブルセンターが贈られ、大使からはバリ島の彫刻をいただきました。
このあと、スクリーンに1期生がはじめて施設にやってきたときからの思い出のシーンが映し出され、懐かしさとともに見入った後、お国の言葉での会話と笑顔の弾むひとときとなりました。
食堂での昼食風景や居室の様子、インドネシア人職員の仕事ぶりも視察なさったあと、一行は帰途につきました。

この10年の間に介護職のグローバル化はすすみ、9月から「介護」が在留資格に加わります。「技能実習生」の受け入れも11月から始まります。今後さらにこの流れは加速するでしょうが、10年大切に育ててきたインドネシアとの介護人財交流がさらに実り多いものとなりますよう、ますます連携を深めてまいりたいと思います。大使、そして総領事、ご訪問ありがとうございました。

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